離婚のときの財産分与

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    ★財産分与とは?


    夫婦が結婚中に作った財産については、離婚のときに、「2分の1」の割合で財産を分けるように相手方に求めることができます。
    名義は問いませんので夫名義の家や預金であっても諦めることはありません。
    ただ、結婚する以前から持っていた財産や、相続や贈与によって得た財産は、原則として対象になりません。
    二人で協力しあって形成した財産を分けるというのが制度の趣旨だからです。

     

     

    ☆どの時点の財産を分けるの?


    2分の1といっても、預金の残高など財産はつねに変動していますよね。いつの時点での財産を分けるのかが重要になります。
    現時点の財産を分けるのではなく、基本的には別居時の財産で算定をします。
    別居後に相手が使ったお金についても、あるものとして、2分の1を請求できるのが原則です。
    ただ、不動産については、その価値を評価する時点は、裁判の終わりのときとなります(調停や話し合いのときは、その時点の評価額でいいでしょう)。

     

     

    ★分ける財産にはこんなものも。


    財産分与できる財産には、すでに受領した退職金はもちろん、まだ支払われていない将来の退職金が含まれるときがあります。
    別居時点で退職した場合に支払われる金額を会社に出してもらって、その金額を計算に入れるのです。
    企業年金や個人年金も、退職金と同じように、積立額や解約返戻金額を分与する財産に組み入れます。

     

     

    ☆借金や住宅ローンはどうなるの?


    ご相談が多いのは、「サラ金や住宅ローン、教育ローンなどの債務をどうするか」ということです。
    これについても名義がどうあれ、二人の生活のために支出したものである限り、計算に組み入れます。
    ざっくりいえば、預金や自宅、生命保険などプラスの財産から、こうしたマイナスの財産を引いて、余った額を半分ずつ分け合うというイメージです。
    ですので、オーバーローンの場合には、不動産や預貯金があっても、分けてもらう財産がないということになってしまうのです。
    ただし、このあたりは事情によって異なってくるので諦めないで相談してほしいと思います。
    マイナスの財産について二人で分け合うこととなったとしても、債権者との関係では名義人に債務が残りますので、相手が支払わない場合には、結局自分のところへ請求が来てしまうことにも注意が必要です。

     

     

     

    ★財産の調査


    もう一つ相談が多いのは、「相手の預金額がわからない」というものです。
    やり方としては、費用が5千円かかりますが、弁護士が金融機関などに問い合わせて回答してもらう方法があります。ただし、強制力がないため、銀行がノーと言うと先に進みません。
    こんなときは、調停の中で相手方に要求して開示してもらいましょう。調停委員も促してくれますので。
    それでもダメなら裁判所から金融機関に尋ねていただきます(調査嘱託)。これは有効な方法なのでお奨めします。

     

    ★財産分与の仕方


    まずは相手方と話し合いをしたり、弁護士を立てて交渉をします。
    話し合いがまとまらなければ家庭裁判所に調停の申立をし、調停委員を介して話し合いを続けることになります。
    調停はあくまで話し合いですから、両者が納得しなければ成立しません。
    その場合には、裁判所に公平にジャッジしてもらうことになります(審判)。

    離婚訴訟を起こす場合には、離婚の裁判と一括して進むことになります。

    とくに結婚期間が長い夫婦の場合には、財産分与で揉めることが多くあります。
    相手が財産隠しをすることもあり、同居中からの対策が必要な場合もあります。


    離婚後の生活をしていく上で、財産分与は大切な制度ですので、賢く使っていきましょう。


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