子の面会交流

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    「子どもに会わせてもらえない」

    「子どもに会いたいと言われて困っている」


    別居中や別居中に、子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会などを行うことを『面会交流』といいます。
    面会交流の具体的な内容や方法については、まずは父母が話し合って決めることになりますが、話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には、家庭裁判所に調停・審判の申立てをして、面会交流に関する取り決めを求めることになります。


    家族関係や意識の変化、少子化など様々な理由により、面会交流の事件は増えています。

    申立件数の増加に比べて、成功率は低いのが現状です。子の面会交流事件のむずかしさを表していますね。

    我が国では、「親子が交流する権利」を明確には認めていません。
    権利を認めるとしても、それが親の権利なのか子の権利なのか、法的な性質は何かなど、議論も分かれているところです。
    現状では、裁判所は「子の監護の一内容」として交流することを認めています。

    そして、面会交流の中身については、「子の利益」を最も優先して決めるという立場です。
    実際の運用では、子どもの福祉の観点から、面会交流を禁止・制限すべき事情がない限り、面会交流を原則として実施する方向で、調停や審判の審理が行われています。


    面会交流を禁止・制限すべき事情とは、
     子を連れ去るおそれがある
     子を虐待するおそれがある
     子を監護している親(配偶者)に対して暴力を振るうおそれがある
     子が拒絶している
    の4つのうちいずれかが存在する場合です。


    原則として面会交流は実施されることになっているので、これらの事情は面会交流を拒む側が主張・証明することになります。
    また、そのような主張があった場合、面会交流を望む側は説得的な反論をする必要があります。

    実際の調停では、父母双方に、面会交流の意義を説明した上で、その意見を聞いたり、簡単な調査をするなどして、上記の4つに当たるかどうか検討していきます。
    当事者としては、自分の主張を裏付ける資料や証拠を提出して、上記4つがある・ないことを訴えていきます。
    上記4つに該当しないと裁判所が考えた場合には、面会交流を拒否している親を説得したり、裁判所内での試行的な面会交流を実施したり、面会交流の条件を具体的に検討したり、面会交流の実現に向けた環境整備が進められます。
    場合によっては、手紙や写真のやり取りなどの間接的な面会交流が検討されることもあります。
    こうした裁判所の運用に対しては様々な意見がありますが、現状ではこのような運用となっています(裁判所、裁判官により違いはありますが)。


    話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には審判手続が開始され、裁判官が一切の事情を考慮して命令を下すことになります。調停から審判への移行率は、だいたい10%程度だそうです。それ以外は、諦めるなどして取り下げをしていると思われます。

    裁判所の調停・審判で決まったことには拘束力があります。
    ただ、子どもを物のように扱うことはできないので、執行官がさらってきて無理やり面会交流を実現するわけにはなかなかいきません。
    そのため、面会交流を決めた調停や審判に相手方が応じない場合には、間接的な方法で面会を強制することが認められています。
    面会を拒むごとに一定の罰金を払わせるというやり方です。プレッシャーを与えて義務を履行させようという考えです。
    ただし、常にこのやり方が使えるわけではなく、最高裁判所の判決では、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているときだけです。
    要は、義務の内容が特定されていなければ、義務違反は明白とはいえないと、裁判所は考えているのです。
    かなりの具体性が求められていますので、最も多い「1か月に一度程度面会させる。具体的方法は別途協議する。」というような調停条項では間接強制はできません。

     

    以上、ざっとですが、面会交流の大枠について説明をしました。
    面会交流の事件は、子どもさんを相手にしているため、非常に悩ましい、難しいケースが多いです。

    子どもは親にとってかけがえのない唯一無二の存在です。それは子どもにとっても同じです。

    その子どもにとって、何がもっともいい解決策なのか、両親や関係者が真剣に模索することが必要です。
    ケースに即した対応をしていきたいと思っています。


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